約1.3kgでComet LakeとGeForce MX250...

27
10

約1.3kgでComet LakeとGeForce MX250を搭載したモバイルノート「MateBook X Pro」

ちょうど2年でモデルチェンジした13.9型ハイエンドノートPC

 2018年6月に販売開始された前モデルの「MateBook X Pro」は、サイズ、重量、デザイン、パネル、クアッドスピーカー、ポップアップするWebカメラなどは同じ。プロセッサが第8世代Core i7/i5、GPUはGeForce MX150、ストレージは512GB/256GB SSDという構成だった。

 そして今回2年を経てリニューアルされた。SKUは違うものの名称が同じなので、2020をつけたほうがわかりやすいかもしれない。というのも、スペックを調べようと名前で検索したところ、2018年モデルが先に見つかり、プロセッサの部分を見るまで気がつかなかった経緯がある。また執筆時点ではAmazon.co.jpで前モデルが今でも売られているため、余計ややこしいことになっている。

 旧モデルとの違いは第10世代Comet Lakeになった点と、ストレージが倍増した点、そしてdGPU(Core i7モデルのみ)がパワーアップした点で、今時の構成となった。おもな仕様は以下のとおり。

【表】HUAWEI「MateBook X Pro」の仕様
プロセッサCore i7-10510U(4コア8スレッド/1.8GHz~4.9GHz/キャッシュ 8MB/TDP 15W)
メモリ16GB/LPDDR3 2133MHz
ストレージ1TB SSD
OSWindows 10 Home(64bit)
ディスプレイ13.9型3,000×2,000ドット(260PPI)、sRGB100%、10点タッチ対応
グラフィックスUHD Graphics 620/GeForce MX250(2GB)、Type-C
ネットワークIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0
インターフェイスUSB 3.0×1、USB 3.1 Type-C×2、約100万画素Webカメラ、指紋センサー、音声入出力、クアッドスピーカー、クアッドマイク
バッテリ容量/駆動時間56Wh、14.9時間
サイズ/重量約304×217×14.6mm(幅×奥行き×高さ)/約1.33kg
MateDock2Type-A、Type-C×2(入力/出力)、HDMI、ミニD-Sub15ピン
価格261,781円(Amazon.co.jp調べ)

 プロセッサは、Comet Lakeの第10世代Core i7-10510U。4コア8スレッドでクロックは1.8GHzから最大4.9GHz。キャッシュは8MBで、TDPは15W。メモリはLPDDR3 2133MHzの16GB(8GB×2)。ストレージは1TB SSD。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載する。

 グラフィックスは、プロセッサ内蔵UHD Graphics 620と、GeForce MX250(2GB)。外部出力用に本体側にType-C、MateDock2側にHDMIとミニD-Sub15ピンを備えている。ディスプレイは、13.9型3,000×2,000ドット(260PPI)、個人的に好みのアスペクト比3:2だ。色域sRGB 100%、10点タッチに対応する。

 ネットワークは、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0。今時としてはWi-Fi 6でないのが残念。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×1、USB 3.1 Type-C×2、約100万画素Webカメラ、指紋センサー、音声入出力、クアッドスピーカー、クアッドマイク。Webカメラは狭額縁でフチには入り切らず、キーボードの上中央にポップアップ式で収まっている。SDカードなどには非対応だ。

 標準でMateDock2が付属。Type-Cのケーブル1本でType-A、Type-C、HDMI、ミニD-Sub15ピンの拡張が可能だ。できればこちら側でGigabit EthernetとSDカードに対応してほしかったところか。ACアダプタは65WタイプのPD対応。30分の充電で本機を6時間使用することが可能だ。

約1.3kgでComet LakeとGeForce MX250を搭載したモバイルノート「MateBook X Pro」

 サイズ約304×217×14.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.33kg。56Whのバッテリを内蔵し、最大14.9時間駆動。価格は261,781円(Amazon.co.jp調べ)。スペック的に仕方ないが高価なモデルとなる。

 なお、Core i5-10210U(4C/8T、1.6-4.2 GHz)/16GB/512GB/iGPUの下位モデルは、価格195,781円(同)。用途的にiGPUでよければ、こちらを選択するのもありだろう。少し前に購入し、ご紹介したNUCもこのプロセッサでiGPUだが、十分快適に動作している。

画面占有率91%なのでフチがほぼない斜め後ろから。本体色はスペースグレー。天板中央にロゴ。バッテリは内蔵式で着脱できない左側面は音声入出力、USB Type-C×2右側面はUSB 3.0キーボード(バックライトつき)。テンキーなしのアイソレーションタイプ。OFF+二段階のキーボードバックライト。タッチパッドは1枚プレート型、電源ボタンは指紋センサーを兼ねるキーピッチは実測で約19mm。ほぼすべてのキーのピッチがそろっていて非常に綺麗な並びだ裏。四隅にゴム足。左右のスリットはスピーカー(キーボード脇にもある)横から。3.5mmジャックがギリギリなのでかなり薄い重量は実測で1,347g付属のACアダプタ(65Wタイプ)と、Type-C/Type-Cケーブル。サイズは約60×60×30mm、重量152g、出力5V/2A、9V/2A、12V/2A、15V/3A、20V/3.25AMateDock2。HDMI、ミニD-Sub15ピン、USB Type-C。この裏にUSB Type-Aを備える。重量は67gポップアップするWebカメラ。ファンクションキーの並びのまんなかにある。ローアングルになるので顔の映りはあまり良くない

 筐体の色はスペースグレイ。質感や見た目も含め、某社のBookにそっくりだが、パネルが3:2なので、本機のほうがバランス的に奥行きがある。逆にWindowsマシンであの雰囲気がほしい人にはピッタリのデザインだ。約14型で実測1,347g。重いほうではないだろう。

 前面は画面占有率91%なのでフチがほぼない。このためWebカメラはキーボード面にポップアップ式で収納している。ただローアングルになるため、顔の映りはあまり良くない。昨今ビデオ会議がはやっているので、これはマイナスポイントとなるだろう。

 左側面に音声入出力、Type-C×2。右側面にType-Aを配置。横の写真からもわかるように3.5mmジャックの高さがギリギリとかなり薄く、コネクタ類はシンプルになっている。その分、Gigabit EthernetやSDカードスロットがないなど、一部犠牲になっているが、ここは痛し痒しと言ったところか。

 付属のACアダプタは、サイズ約60×60×30mm、重量152g、出力5V/2A、9V/2A、12V/2A、15/V3A、20V/3.25A(65Wタイプ)。もちろんPD対応だ。またMateDock2と呼ばれる拡張ポートも標準で付属する。

 キーボードは、オフ+2段階のキーボードバックライトつきアイソレーションタイプだ。ストロークとクリック感もそこそこあり、加えてキーピッチがそろっているのでかなり使いやすい。キートップの感触もいいのだが、少し汚れやすいのが玉に瑕。電源ボタンは指紋センサーを兼ねている。タッチパッドは1枚プレート型。パームレストも含め十分な面積を確保。年間数多くのノートPCを試用しているが、このキーボード/タッチパッドは個人的には上位にランクする好みとなる。

 13.9型3,000×2,000ドットのディスプレイは、アスペクト比3:2とこれも筆者の好み。sRGB100%で発色も良く、明るさ(最大450 nit)、コントラスト、視野角も十分。品質の高いパネルが使われている。しかもタッチ対応だ。

 余談になるが、長年使っていた「EIZO CG245W」から「BenQ SW240」へつい先日乗り換えた。24.1型非光沢1,920×1,200ドット、sRGB 100%/Adobe RGB 99%でハードウェアキャリブレーション対応なのだが、CG245Wとは違い、センサーは外付けになるため、フードと合わせて「X-Rite i1Display Pro」も購入。これによりノートPCのパネルなどの特性を測ることが可能になった(i1Profilerを使用)。以降、必要に応じて掲載するので参考にしてほしい。

 基準値は、一般的に写真表示に適していると言われる“白色点D65K、輝度120cd/平方m”。ただしノートPCの輝度は加減が大雑把なので、一番近いところで合わすことになる。今回まんなかだと90cd/平方m、もう1つ上だと135cd/平方mだったので、後者で計測。

 結果を見るとD65Kは完璧。黒色輝度(つまり真っ黒)も0cd/平方mになっているのでシャドウは浮いて見えない。R/G/Bのリニアリティもこの手のノートPCとしては優秀なほうだろう。ほぼほぼそろってる上に直線的だ。輝度は120cd/平方mではないものの、まんなか(90cd/平方m)か+1の位置(135cd/平方m)にすれば、写真を表示するのに適した状態となる。筆者が目視で「綺麗」と書くよりは、こちらのほうが説得力があるだろう。

基準値と結果R/G/Bのリニアリティ

 振動やノイズは試用した範囲ではとくに感じなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけると、キーボード上の金属部分が分単位で指を置くにはつらい温度、そしてパームレストまで熱が下りてくる。本機の唯一気になる部分だ。

 サウンドは本体の裏左右にスリット、キーボード脇左右にメッシュがあり、直接音と机などに反射した間接音の2種類の音となる。筐体毎振動させるほどパワーがあり、ノートPCとしてはなかなかの音だ。幅もあるのでステレオ感も十分。本体だけで音楽も映像も楽しめる。