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7月29日、東京アニメ・声優専門学校でオープンキャンパス「ゲーミングPCブートキャンプ」が開催された。
このイベントは、同校のeスポーツ専門コース「e-sportsプロフェッショナルゲーマーワールド」に興味のある高校生や同コースに在籍する学生を対象に行なわれたもので、知識と実践の両面展開でプロゲーマーと関係の深いゲーミングPCをとりまく事情を分かりやすく解説するというもの。
「e-sportsプロフェッショナルゲーマーワールド」は、日本初のeスポーツ専門コースで、開講されたことで大きな注目を集めている。イベントの主催はMSIで、eスポーツ業界を目指す多くの若者が集まり、活気あふれるイベントとなった。
その様子をレポートしよう。
イベントのタイトルは「ゲーミングPCブートキャンプ」である東京アニメ・声優専門学校の入り口本イベントは、実際にゲームや機器が体験できるワークショップと、プロゲーミングチーム「DeToNator」代表の江尻勝氏やテクニカルライターの加藤勝明氏、高橋敏也氏による講義から構成されていた。まずは、ワークショップの様子を紹介する。
YamatoN選手ワークショップは3種類あり、2つの部屋に分かれて行なわれていたワークショップは、プロゲーマーとのeスポーツ対戦会、HTCの高性能VR用HMD「Vive」によるVR体験、ビデオカード換装体験の3種類があり、2つの部屋に分かれて行なわれていた。
中でも、人気があったのが、eスポーツ対戦会だ。この対戦会では、DeToNatorに所属する有名プロゲーマー「YamatoN」氏と人気ゲーム「Overwatch」でガチ対戦できるというもので、ゲームの腕に覚えのある生徒が集まり、YamatoN氏と熱戦を繰り広げていた。プロゲーマーを目指している「総合プロゲーマー専攻」の学生の中には、YamatoN氏を苦しめたプレイヤーや、見事勝利するプレイヤーもいた。対戦は、ゲーム室の中で行なわれたが、室内には高性能なゲーミングPCやゲーミングデバイスがずらりと並んでおり、eスポーツ業界を目指す学生には最高の環境であろう。
DeToNatorのプロゲーマー「YamatoN」氏とのOverwatch対戦会の様子。プロゲーマーを目指すコースの学生だけあり、YamatoN氏に勝利するプレイヤーもいた対戦は、ゲーミングノートPCを用いて行なわれたが、その様子が観客にも見えるように外部ディスプレイが用意されていた対戦の様子を熱心に見守る参加者達。華麗なプレイに、ときおり歓声もあがっていた同校のゲーム室には、ロジクールやRazerのゲーミングキーボードやマウス、左手コントローラー、ヘッドセットなどが揃っているVR体験コーナーでは、HTCの「Vive」が2セット用意されており、全部で3種類のゲームを体験することができた。使われていたPCは、MSIのゲーミングPC「Aegis」と「Vortex G65」で、前者はまだ日本では未発売の製品であり、VRシステムに最適な製品として開発されたものだ。こちらもなかなか体験できないハイエンドVRシステムを体験できるとあって、人気を集めていた。
VR体験コーナーでは、HTCの「Vive」が2セット用意されており、全部で3種類のゲームを体験することができたこちらは「Fruits Ninja」をプレイしているところ。両手のコントローラーの動きがそのままゲームに反映されるVR体験コーナーで使われていたMSIのゲーミングPC「Aegis」。VRシステムのために開発されたゲーミングPCだVR体験コーナーで使われていたMSIのゲーミングPC「Vortex G65」。コンパクトだが、高性能なマシンだ高橋氏が、ビデオカードスカード換装の実演を行なっていたまた、ビデオカード換装体験ワークショップでは、テクニカルライターの高橋敏也氏が、ビデオカード交換作業の実演を行ない、希望者は換装を体験することができた。
高橋氏は、PC自作に関するノウハウの解説も行なっており、参加者の相談にものっていたので、こちらも参加者が集まっていた。
PC自作に関する質疑応答も受け付けており、参加者が熱心に質問をしていたビデオカード換装体験ワークショップでは、数世代前のビデオカードと最新ビデオカードの性能比較デモも行なわれていたメインの講義会場には、MSIの最新ゲーミングデスクトップPCやノートPC、ゲーミングマザーボードやビデオカードが展示されていた。
講義と講義の間の休み時間やワークショップの空き時間に、参加者がMSIスタッフに熱心に質問をしている姿も見られた。
MSIのゲーミングデスクトップPC「Nightblade MI2」。Core i7-6700とGeForce GTX 950を搭載。128GB SSDと1TB HDDを搭載するMSIのゲーミングデスクトップPC「Nightblade X2」。Core i7-6700KとGeForce GTX 980Tiを搭載。ストレージもSSDとHDDを両方搭載するMSIのゲーミングノートPC「GS40 6QE-039JP」。Core i7-6700HQとGeForce GTX 970M、256GB SSDと1TB HDDを搭載するMSIのゲーミングノートPC「GE62 6QC-024JP」。Core i7-6700HQとGeForce GTX 960M、128GB SSDと1TB HDDを搭載するMSIのゲーミングノートPC「GT72S 6QE-888JP」。ハイエンドモデルであり、Core i7-6820HKとGeForce GTX 980M、512GB SSDと1TB HDDを搭載するGT72S 6QE-888JPは、キーボードバックライトもレインボーカラーになっている左がMSIのゲーミングマザーボード「H170 GAMING M3」、右がMSIのゲーミングマザーボード「H170A GAMING PRO」左がMSIのビデオカード「GeForce GTX 1080 GAMING X 8G」、右がMSIのビデオカード「GeForce GTX 1060 GAMING X 6G」国内未発売の「GeForce GTX 1070 GAMING Z 8G」の搭載例本イベントの講義は3時限に分かれており、1限目がプロゲーミングチームDeToNator代表の江尻勝氏による「プロゲーミングチームとは何か」という講義であった。
江尻氏は、まず、自分の経歴を語った後、プロゲーマーやeスポーツ業界を目指す若者に、真摯なアドバイスを送った。特に若者に伝えたいことは、「うまい話を持ちかけてくる大人には気をつけろ。人を見る目を養え」ということであり、プロゲーマーに求められる資質は、「自分の思いをちゃんと相手に伝えること」と「人の話をきちんときけること」であるとした。講義の最後には質疑応答の時間が設けられ、参加者からさまざまな質問が出ていた。
2限目は、テクニカルライターの加藤勝明氏が、「プロになるなら知っておきたい、ゲーミングPCの中身としくみ~PC編」と題して講義を行なった。なお、2限目と3限目については、別記事で詳しくプレゼン内容などを紹介する予定なので、ここでは簡単に紹介する。
加藤氏はまず、ゲーミングPCの定義を説明し、ゲーミングPCのプロゲーマーに対するメリットを解説した。そして、PCのスペックの中で、どの部分がゲーミングPCにとって重要なのかということを明らかにし、具体的なゲーム名を挙げて、要求されるビデオカードのクラスを説明した。
2限目の講義を行なった、テクニカルライターの加藤勝明氏ゲームが快適に動くとは、グラフィックが滑らかに動き、画面がちらつかないことであるいくつかのゲームを例に挙げて、最低画質と最高画質の違いを示したゲームの「重さ」によって、要求されるビデオカードが異なる3限目は、テクニカルライターの高橋敏也氏が、「プロになるなら知っておきたい、ゲーミングPCの中身としくみ~パーツ編」と題して講義を行なった。
高橋氏はまず、自作PCの定義と、メリットデメリットを解説し、参加者にPC自作経験の有無をたずねたところ、10人程度の人が手をあげた。予想よりも自作経験者が多かったようで、高橋氏も少々驚いていた。その後、CPUやマザーボード、ビデオカードといった、主要パーツごとにゲーミングPCで重要になるスペックや、推奨製品を解説した。高橋氏は最後に、プロゲーマーを引退しても、その先にはさまざまな道があることを説明し、講義を終えた。
3限目の講義を行なった、テクニカルライターの高橋敏也氏高橋氏が「PC自作経験のある人は?」と訊ねたら、10人程度の人が手をあげたPCのベースとなるマザーボードの解説。左が一般的なマザーボードで、右がゲーミングマザーボードプロゲーマーを引退しても、その先にはさまざまな道があるワークショップの後、おたのしみじゃんけん大会が開催され、最後まで勝ち残った1名にMSI提供の豪華な賞品がプレゼントされた。
イベント終了後に、参加者に感想を訊いたところ、「すでに知っていることもあったが、業界の最新事情を知っている方の説明はわかりやすく、ためになった」(在校生)、「DeToNator代表の方の話が面白かった」(在校生)、「有名なプロゲーマーと対戦できて嬉しかった」(在校生)、「少し難しかったが、勉強になった」(高校生)、といった反応が返ってきており、参加者の満足度は高かったようだ。
こうしたイベントは、なかなかユニークな試みであるが、在校生にとっても、e-sportsプロフェッショナルゲーマーワールドコースに関心がある高校生にとっても、とても意義のあるイベントであったようだ。