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拾ってラッキー!のつもりが、自分で落としたら笑えない。。
ごくたまにであるが、「落とし主が現れず、○億円が拾い主のものに!」というニュースを聞くことがある。10万円の宝くじさえ当たったことのない身にとっては、実にうらやましい話。もちろん、拾ったものをきちんと届け出るという善行があってこその結果だが、そんな機会に遭遇したいと、つい夢見てしまう。
ところで、昨年、遺失物に関する法律が改正されたのはご存じだろうか。平成19年12月10日施行の「遺失物法」では、新たに、携帯電話や運転免許証など個人情報が入った物については、落とし主が見つからない場合であっても、拾い主はその落とし物をもらう権利がなくなった。また、落し物などの情報がインターネットで公表され、落とし物を探すことができるようになったなど、時流に沿い便利になっている。
そして、注目すべきは、落とし物、忘れ物を探せる期間が3ヵ月になったこと。今までは6ヵ月だったから、半分に短縮されたのだ。
つまりこれは、3ヵ月の間に落とし主がわからなかったり、あるいは取りにこなかった落とし物は、拾い主のものになるということ。ただし、拾い主による落とし物の引き取り期間も決められていて、権利が発生してから2ヵ月間。期間終了だからといって警察から落とし物の引き取りについての連絡はこないので、届け出たときにもらう「拾得物件預かり書」や、「お知らせハガキ」をきちんと保管しておくことが大切だ。まさかあろうはずはないだろうが、仮に3億円拾って届け出て、落とし主が現れずに自分のものになるはずが、うっかり2ヵ月以上経ってしまって権利をなくしてしまう・・・なんてことも、ありうるのだ。
そんな「まさか」を期待(?)して、現金を拾ったときにどうすればいいか、バーチャルで学んでおこう。さて、お財布の落とし物など、現金を発見した。この場合、すぐに警察に届けよう。すると、「拾得物件預かり書」が発行される。それから3ヵ月間が、落とし物・忘れ物を探せる期間。この間に落とし主が現れれば、拾得物は落とし主に返却される。このとき、落とし主が拾い主にお礼をするのは、1ヵ月の間と決められている。
さて、落とし主が現れなかったらどうなるか。3ヵ月後に、その拾得物の所有権は、落とし主から拾い主へと移転する。その後2ヵ月間が、受取期間。「拾得物件預かり書」を持って、引き取りに行くのだ。
ところで、この間、届けた落とし物はどこに保管されるのだろう。交番であろうと警察署であろうと、届けられた落とし物は、警察署の会計係に集められる。なかを調べて持ち主が特定できれば連絡をしたり、また、遺失届と照会したりする。2週間経って落とし主がわからなかった場合は、遺失物センターに保管され、さらに調査される。ちなみに、落とし物が持ち主に返る割合は、現金は約74.3%、品物は約19.9%だそうだ。また、警察署には平成19年中に約231万件の落とし物が届いたそうで、最も多かったのが傘で約34万本。財布類はそれに次いで、約21万個だそうだ。拾ってラッキー、のつもりが、自分で落としたら笑えない。もし落とし物をしたら、すぐに交番や警察署に行き、落としたものの特徴なども詳しく書いて遺失届を出しておこう。
【参考サイト】・警視庁 相談ページ
(佐々木雅代)
※本記事は、2008年4月7日に掲載された記事です。そのため、記事内容は掲載日のものであり、現在と情報内容が異なっている場合がございますので、本記事の閲覧・利用等に際しては、以下の点をご了承ください。