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イー・アクセスが9月18日、1.7GHz帯にて実施しているLTE実証実験の結果を発表した。実験期間は8月22日から9月末までの予定。
今回の実証実験では、総務省が「周波数アクションプラン」で新たに確保するとしている1.7GHz帯の周波数(5MHz×2、1744.9〜1749.9MHz/1839.9〜1844.9MHz)と、隣接するイー・アクセスの周波数(15MHz×2、1749.9〜1764.9MHz/1844.9MHz〜1859.9MHz)の計20MHz幅×2使い、LTEの通信品質や通信速度を評価している。実験試験局の設置場所は香川県高松市の一部。実験用端末として、スマートフォン「STREAM X(GL07S)」、USBスティック端末「GL08D」、モバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi LTE(GL06P)」のほか、20MHz幅・4×4 MIMOまたは2×2 MIMO対応の専用端末を用いた。
20MHz幅のうち10MHz幅と10MHz幅の周波数を一体にして使用する「キャリアアグリゲーション(CA)」と、20MHz幅を連続する1周波数として使用する2つの方法で評価した。その結果、後者の連続20MHz幅の方が、下りの伝送速度が高いことが確認された。
基地局と端末のそれぞれで、複数のアンテナを使う「MIMO」による検証も行った。計20MHz幅の周波数を用いた商用ベースの基地局にて「4×4 MIMO」と「2×2 MIMO」を評価したところ、4×4 MIMOでは規格上の下り最大300Mbpsに近い291Mbps、2×2 MIMOではGL08Dが規格上の下り最大150Mbpsに近い148Mbpsを記録した。
10MHz+10MHz幅のキャリアアグリゲーションと、連続20MHz幅の性能を評価下り300Mbps(20MHz幅、4×4 MIMO)と、下り150Mbps(20MHz幅、2×2 MIMO)の検証も行った1744.9〜1749.9MHz/1839.9〜1844.9MHzの割当先はまだ決まっていないが、イー・アクセスは、今回の実験を通じて取得したノウハウや測定データを活用することで、モバイルブロードバンドの通信技術の向上を図り、さらなる普及・拡大に取り組むとしている。
現在の1.7GHz帯割り当て状況(写真=左)と実証実験の概要(写真=右)実験の様子連続20MHz幅と10MHz+10MHzのCAでは、連続20MHz幅の方が高速で、周波数の利用効率が高いことが分かった4×4 MIMOでは下り最大291Mbps、2×2 MIMOでは下り最大148Mbpsを記録した他社も含めた今後の高速化計画(写真=左)。1.7GHz帯の追加帯域(F0)が割り当てられた場合、その後もさらなる高速化を推進する(写真=右)イー・アクセスのLTE基地局は、すべて1.7GHz帯の追加帯域(F0)に対応している(写真=左)。LTEエリアのカバー率は2014年3月末に80%、2015年には95%を予定している(写真=中)。イー・アクセスのLTE端末は、すべてF0に対応しており、20MHz幅を利用すれば、下り最大150Mbpsの通信が可能(写真=右)ドコモがすでに1.7GHz帯で20MHz幅を所有していることから、イー・アクセスに追加の5MHz幅を割り当てて“イコールフッティング”にすべきと同社は考える(写真=左)。1.7GHz帯の追加帯域(F0)をイー・アクセスに割り当てれば連続20MHz幅となるので、ドコモに割り当てるよりも周波数の利用効率が高いとしている(写真=中)。イー・アクセスより多くの帯域を利用できるドコモの方が、現状では有利だ(写真=右)※資料の画像を追加しました(9/18 17:05)。