10
05
設置が簡単で速くて安い。5Gホームルーターの魅力とは?
固定回線に代わるものとして注目を集める高速通信規格「5G」。これまで5Gが使えるのはスマホや携帯型ルーターが中心だったが、2021年秋以降、据え置き型のホームルーターが各社から登場した。【写真はこちら】最新5Gホームルーター&料金プラン比較
発売したのは携帯大手のNTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、KDDIグループのUQ WiMAX(UQコミュニケーションズ)だ。5Gの最大通信速度は各社で異なり、ドコモが最大4.2ギガビット/秒(Gbps、ギガは10億)で、他社は2Gbps台。ダウンロード(下り)に比べて、アップロード(上り)が10分の1以下と大きく下回るのは共通の仕様だ。5Gホームルーターは家庭内ではWi-Fiルーターとして動作する。いずれもWi-Fi 6対応で最大1201メガ(M、メガは100万)~2402Mbpsと、5G側の速度を下回る場合が多い。電波環境にもよるが、公称値まで速度が出ることは考えにくいため、気にすることはないだろう。同時接続台数も最大30~128台なので一般家庭では十分。全モデルで有線LAN端子を搭載しており、パソコンやネットワーク家電を有線でルーターにつなぐことも可能だ。各製品は、基本的に次に紹介する5G対応プランと組み合わせて利用する。端末価格は約2万~7万円と幅があるが、携帯大手3社のプランは月々の料金に割引が適用され、3年利用すれば端末代は実質無料になる。
5Gホームルーター向けの料金プランは4社が提供している。利用料金は月5000円前後と各社横並びに近い。最安はUQの月約4300円、次いでauの月約4600円だが、これは約2年の期間限定。契約月から月550円の割引が適用されている点に留意したい。月間のデータ通信量は基本的に無制限だ。しかし、ソフトバンクを除いて、3日間の累計が一定量を超えた場合に速度制限が設けられている。制限の基準はauとUQが15GBで、ドコモは非公表。特に4K動画などはデータ容量が大きく、例えばNetflix(ネットフリックス)の「超高画質」は1時間で最大7GBを消費する。大容量のデータ通信をするユーザーは物足りないかもしれない。通信エリアに関してやや特殊なのがauとUQ。au回線の一部とWiMAX 2+回線が利用できる「スタンダードモード」では月間の通信量が無制限。一方、これより通信エリアが広い「プラスエリアモード」では月15GBまたは30GBの制限がある。5Gホームルーターならではの制限が利用場所だ。UQを除く携帯大手3社では、契約時に指定した設置住所に限定される。引っ越しなどで利用場所を変更したい場合は手続きが必要だ。(ライター 五十嵐俊輔)[日経PC21 2022年1月号掲載記事を再構成]
最終更新:NIKKEI STYLE