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今年、総務省が打ち出した「完全分離」の方針により、国内のモバイル市場は大きな転換期を迎えたと言われている。すでにNTTドコモをはじめ、各携帯電話会社は回線契約と端末購入を分離する料金プランや販売施策を発表し、今秋以降の本格的なスタートに備えつつある。
今回の改正電気通信事業法と総務省令(現時点では「案」)の施行により、今後は端末購入時の割引が制限されることになり、今まで以上に端末の内容と価格のバランスが重視されると予想されている。どんなに高級な端末でも内容が見合わなければ、ユーザーからは敬遠されてしまい、ブランド力が未知数の製品でもユーザーをひきつける機能やスペックを持っていれば、人気が出てくることが期待されている。
そんな国内のモバイル市場において、近年はSIMフリースマートフォンのラインアップを積極的に投入し、着実に存在感を増しているのがモトローラだ。40代後半以上の世代にとっては、モトローラと言えば、「M」のロゴがおなじみだが、携帯電話業界や通信業界、コンピュータ業界の老舗ブランドのひとつとして知られている。もしかすると、本誌読者にもはじめて手にしたケータイが「Motorola」だったという人がいるかもしれない。
そんなモトローラの携帯電話事業もGoogleの買収を経て、現在はパソコンなどでおなじみのレノボグループの傘下で事業を展開している。国内市場ではかつてauなどに端末を供給した実績を持つが、現在はSIMフリースマートフォンを中心としたオープン市場が主戦場となっている。
モトローラのラインアップとしては、フラッグシップの「moto Z」シリーズを筆頭に、これに次ぐ「moto X」シリーズ、低価格帯の「moto E」シリーズなどが展開されているが、今回発表された「moto g7」シリーズは主力モデルに位置付けられる。
昨年発売されたMoto G6シリーズは画面サイズなどが違う「Moto G6」「Moto G6 Plus」が国内向けに販売されたが、今年はスペックや価格が異なる「moto g7 plus」「moto g7」「moto g7 power」の3機種が販売される。
今回の3機種は、もっともハイスペックな「moto g7 plus」を筆頭に、スタンダードな「moto g7」、5000mAhの大容量バッテリーを搭載する「moto g7 power」という構成で、3機種とも画面の対角サイズが同じながら、解像度はmoto g7 powerのみHD+だったり、チップセットはmoto g7 plusのみがSnapdragon 636で、他の2機種はSnapdragon 632を搭載するなど、3機種の間で微妙に仕様を変えている。
その差は価格にも反映されており、最上位のmoto g7 plusが3万8800円(税別、以下同)、これに次ぐmoto g7が3万800円、大容量バッテリーを搭載したmoto g7 powerが2万5800円という構成になっている。
モトローラ・モビリティ・ジャパンのダニー・アダモポウロス社長は発表会の席において、今回の3機種を「グッド(moto g7 power)、ベター(moto g7)、ベスト(moto g7 plus)」と表現していたが、主力シリーズのmoto gシリーズで、ユーザーのニーズをくんだバランスのいいラインアップを構成したという印象だ。今回は3機種の内、もっともスペックの高いmoto g7 plusを試用したので、その内容をチェックしてみよう。