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中国のウイグル族に対する人権侵害を理由に、欧米各国が中国当局者らへの制裁を発動したことを受け、ロシアと中国は23日、共同でこの制裁を非難した。
ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相はこの日、中国南部・桂林で中国の王毅外相と会談。両者はそろって欧米を批判した。
ラヴロフ氏は、欧州連合(EU)の「一方的な決定」が、ロシアとEUの関係を「破壊」したと述べた。また、国際関係において制裁は「受け入れられない」手法だと、王氏との間で認識が一致したと説明した。
一方の王氏は、中国の内政に外国が干渉する時代は「永遠に終わった」と発言。強国は「自国の基準に従って気まぐれに他国の内政に介入したり、民主主義や人権の旗を掲げて影響力を増そうとしたりすべきではない」と主張した。
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EUが人権問題をめぐって中国に制裁を発動したのは、1989年の天安門事件以降で初めて。
人権団体は、中国がここ数年間で100万人以上のウイグル族を拘束し、同国政府が「再教育施設」と呼ぶ建物に収容しているとみている。
中国は欧米のこうした見方を否定。「再教育」はテロ対策のためだと説明している。
中国は22日、欧米の制裁に対抗し、ヨーロッパの当局者たちに対して制裁を発動した。
ロシアはプーチン政権において、中国との関係を経済や軍事、科学の面で強化してきた。両国は前世紀の冷戦下、共産圏のライバルだった。
両国に対しては、新型コロナウイルスのパンデミックの中で優位に立とうと、「ワクチン外交」を繰り広げているとの見方が欧米の一部から出ている。ラヴロフ氏と王氏はともに、これを否定した。
中国医薬集団総公司(シノファーム)が開発したワクチンと、ロシアで開発されたワクチン「スプートニクV」は、欧米のワクチンより短時間で入手でき、価格も低いことなどから、多くの国が購入している。中国がワクチンを無料提供している場合もある。
ラヴロフ氏は、スプートニクVの輸出は「人間愛」と「人命救助」の原則に立って実施されていると説明。地政学や商業利益を考えてのものではないとした。
王氏も、中国の目的は当初から、「可能な限り早期にワクチンを入手させる」ことと、「全世界を助ける」ことだと述べた。
欧米各国は、以下の問題などに絡んで、ロシアのウラジミール・プーチン大統領に近い同国当局者らに制裁を科している。
ロシア政府は、欧米が非難する内容をいずれも否定している。
アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は22日、ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)を訪れ、ロシアのガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」に反対する姿勢を強調した。ロシアとドイツをつなぐ同パイプラインは、ほぼ完成している。
米政府はこのパイプラインについて、ロシアがヨーロッパの分断を進めるための手段と捉えており、ドイツへの制裁もちらつかせている。ウクライナとポーランドもパイプラインに強硬に反対している。ノルド・ストリーム2はバルト海底を経由してロシアの天然ガスをドイツに直接運び込むもので、ウクライナやポーランドは通過しない。
(英語記事 Russia and China hit back at Western sanctions)
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