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中国製「ジェネリックAndroid」ついに出る。
Huawei(ファーウェイ)は、これまで独自開発を進めてきた「HarmonyOS」の詳細を6月2日に発表します。
ファーウェイは米国政府による禁輸措置が始まる前から、Google(グーグル)のアプリやサービスが不可欠な状態をなんとかするために、Android分派のOSを開発していました。HarmonyOSが実装されたTV端末がいくつかすでにリリースされていますが、本命は6月2日に行われるファーウェイの発表イベントで公開、ついにHarmonyOSは自社スマートフォンに搭載されることになりました。
しかしながら、中国語では「鴻蒙」という名の「HarmonyOS」の初期プレビューは、かなり「ジェネリックAndroid 10」(そしてかなりラグがある)とArs Technicaが表現しているように、あまり良い感じではなさそう。
仮にファーウェイが、実装版のOSをきれいに仕上げてパフォーマンスの向上をしてきたとしても、そもそもHarmonyOSの登場が遅すぎ問題はありますね。
グーグルが先週Android 12のパブリックベータを開始しているというのに、ファーウェイは約2年前のAndroidをベースにしたOSをリリースすることに対して「え、大丈夫?」と誰もが思うでしょうし、HarmonyOSは中国や海外で販売される端末のモバイルOSとして準備されているようですが、アプリのデベロッパーは、HarmonyOS上で動作するようにアプリを再設計する必要があります。Huawei App Gallery(アプリストア)で、従来のAndroidデバイスと変わらないようにアプリを提供していくためには、相当なキャッチアップが必要になってきます。
その一方、OSに関する別のニュースとして、9to5Googleは初代のGoogle Nest Hubに「Fuchsia OS」をひっそりロールアウトしていることを報じています。これまで初代Nest Hubには、グーグルのLinuxベースの「Cast OS」が搭載されていました。「Fuchsia OS」はグーグルが2016年から開発している非Linuxのゼロから構築されたOSで、今回ついに「Fuchsia OS」がGoogleのスマートディスプレイ製品に搭載されることになりました。
「Fuchsia OS」はノートパソコンから小型のIoTガジェットまで、あらゆるデバイスに対応できるフレキシブルなOSとして設計され、最終的にはAndroidとChromeOS、両方にとって代わることができるグーグルの包括的なOSとして期待されています。しかしながら、遡ること2016年、だいぶ前にFuchsiaは発表されたわけですが、実売されているデバイスへのFuchsia OS搭載に関してはかなり控えめなペースで進められていました。
しかし、グーグルが初代のNest HubにFuchsiaを展開し始めた今、ファーウェイはさらに開発の制約が発生した可能性があります。これまでそれなりの時間とお金をかけて独自にジェネリックAndroidを開発してきたのに、グーグルは近い将来まったく新しいOSに移行する可能性があるからです。
そうなると、ファーウェイだけでなく、世界中のすべてのAndroidデベロッパー、アプリ提供企業に大きな影響があることは言わずもがなですが。