バイデン氏、オンラインで初の首脳会...

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バイデン氏、オンラインで初の首脳会談 カナダ・トルドー首相と

アメリカのジョー・バイデン大統領は23日、就任後初となる首脳会談を、カナダのジャスティン・トルドー首相とオンラインで行った。

両首脳は、ともに気候変動と中国をめぐる問題を政策面で重視していることを確認。中国で拘束されているカナダ人2人の解放についても話し合った。

バイデン氏はカナダ人が拘束されていることについて、「人間は取引の材料ではない」と述べた。

両国は、温室効果ガス排出量を2050年までにネット・ゼロ(排出量と除去量が差し引きゼロ)にする目標でも一致した。

カナダは、米大統領の就任後初の訪問先として選ばれることが多い。しかし今回は、新型コロナウイルスの影響でバイデン氏の訪問は見合わされ、リモートでの会談となった。

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民主党のバイデン氏は、自由党のトルドー氏と協力して、アメリカとカナダの関係のリセットを望んでいるとされる。共和党のドナルド・トランプ前大統領とトルドー氏の関係は、ぎくしゃくすることが多かったとみられていた。

トルドー氏はこの日の会談で、アメリカと協調して「新型ウイルス感染症を切り抜けるとともに、世界中で私たちがしっかりと役割を果たす」ことを強調したという。

両首脳は記者からの質問は受け付けなかった。アメリカの慣例に照らすと、今回のような二国間の行事で質問を認めないのは異例のことだ。

中国をめぐって

主要な議題の1つが、カナダ人2人がスパイ行為をしたとして2018年から中国で拘束されている問題だ。

バイデン氏、オンラインで初の首脳会談 カナダ・トルドー首相と

カナダは、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の最高財務責任者(CFO)の孟晩舟副会長を、カナダ当局がアメリカの逮捕状に基づいて逮捕したことへの報復として、カナダ人2人が中国で拘束されたと主張している。

カナダ人のマイケル・スペイヴァー氏とマイケル・コヴリグ氏は2018年、中国で拘束され、2020年6月に正式に起訴された。

バイデン氏は会談後、2人の解放を求め、「私たちは協力し、安全な帰国を実現させる」と述べた。

気候変動問題では

トルドー氏は会談の冒頭、アメリカのトランプ前政権を批判するとともに、バイデン氏の「積極姿勢」に感謝した。

トルドー氏は「共同の発表や声明を準備する際に(中略)アメリカ側が気候変動への言及をすべて取り除こうとしないのはいいことだ」と述べた。

一方のバイデン氏も、両国は「足並みをそろえて(気候変動への)取り組みに真剣なことを国内外で示していく」と話した。

ただ両首脳とも、カナダ・アルバータ州からアメリカに石油を送る「キーストーンXLパイプライン」の敷設を米政府が取りやめたことについてはコメントしなかった。

バイデン氏が大統領に就任してから2日後の、初の外国首脳との電話会談で、トルドー氏はパイプラインをめぐる米新政権の決定について「残念」だと伝えた。米当局者はその後、決定について「再考の余地はない」と述べた。

ジェン・サキ大統領報道官は23日、記者団に向かい、バイデン氏がトルドー氏に対して、パイプライン建設は「アメリカの利益にならないことや、気候変動の危機に対処したいこと、労働組合に加盟できる給料のいい仕事を生み出したいこと」を明確に伝えてあると説明した。

アメリカとカナダは世界最大規模の貿易パートナーで、1日あたりの物品やサービスの取引額は20億ドル(約2110億円)に上る。

BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、両国には貿易やパイプライン建設などをめぐって明らかな立場の違いがあるが、少なくともこの日の首脳会談は、笑顔と明るい未来に向けた約束にあふれていたと伝えた。

(英語記事 Biden holds first foreign meeting with Trudeau)

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