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便利なWi-Fiもリスクと隣合わせであることを肝に銘じよう
電波の届く範囲ならどこでも利用できるのがWi-Fiの便利さ。しかし、裏を返せば通信内容をのぞかれるなどのリスクと隣り合わせでもある。Wi-Fiルーターと子機間の通信は暗号化されて守られているが、ルーターのセキュリティー設定が甘かったり、既定のパスワードのまま使っていたりすると危険性は増す。【ビジュアル解説】ネット上の盗聴や不正利用を防ぐ手段
iPhoneで接続先を確認すると、「安全性の低いセキュリティ」と表示されることがある。これはルーターの暗号化方式の弱さを指摘する警告。方式はいくつかあるが、現在はWi-Fiのデータ通信時やファイルの圧縮時などに用いられる暗号アルゴリズム「AES」を利用する方式が必須といえる。ルーターの設定画面で確認しよう。
Wi-Fi 6は安全性が高いWPA3に対応するが、WPSなどの自動設定機能は使えない。ルーターの初期設定は基本的にWPA2で、WPA3で利用するには手動で設定する必要がある。WPA2とWPA3は、Wi-Fiのためのセキュリティープロトコル。WPA2で脆弱性が発見されたため、WPA3で強化した。暗号化方式は原則ルーターと子機でそろえる必要がある。WPA3非対応の機器もあり、WPA2とWPA3のSSIDを用意している製品もある。ルーターの乗っ取りを防ぐためには、設定画面を開く際に必要なパスワードを変えておきたい。ルーターの脆弱性を突かれないためには、ファームウエアを最新に保つのも重要だ。(ライター 五十嵐俊輔)[日経PC21 2022年1月号掲載記事を再構成]