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現行Macのほとんどはデータを格納するSSDがロジックボード(マザーボード、メイン基板)上にハンダ付けで固定されています。そのため、ユーザー自身で大容量のSSDに換装したり増設したりすることができません。その場合、外付けHDDや外付けSSDなどに使用頻度の低いファイルを退避するのが一般的ですが、現在のMacではクラウドストレージ(iCloud)と連携したデータ管理が可能となっています。
このストレージの「最適化」を有効にすると、Macに保存されている書類や画像、動画などのファイルはiCloud上に自動的にコピーされ、Mac本体にはそのファイルの情報だけが残ります。そして、いざファイルを開くさいにはiCloudからオリジナルのファイルがダウンロードされます。この仕組みによって、MacのSSDの空き容量を確保できるのです。
Macのストレージ管理機能は、Appleメニューの「このMacについて」から確認や設定ができます。「ストレージ」の項目を選んで現在のMacのストレージ使用状況を確認したら「管理」ボタンをクリックしましょう。
Appleメニューから「このMacについて」を選択し、システム情報から「ストレージ」タブを開くと使用状況や、その内訳が確認できます「管理」ボタンをクリックするとストレージ管理のウィンドウが表示されます。サイドバーにある「おすすめ」では、ストレージを最適化するための設定がいくつか表示されるので、必要な項目を設定しますストレージの管理画面には「おすすめ」の設定として、①「iCloudに保存」、②「ストレージを最適化」、③「ゴミ箱を自動的に空にする」、④「不要なファイルを削除」の4項目があります。ここでは順番にその設定の意味と効果について確認していきます。
まず、①「iCloudに保存」は上述のとおり、ファイルや写真、メッセージやその添付ファイルのオリジナルを自動的にiCloudへ保存して、Macのストレージ容量を節約するものです。「デスクトップと書類」「写真」「メッセージ」などの項目が表示され、チェックを入れることでオンにできます。
たとえば、「デスクトップと書類」をオンにすると、ストレージ容量が不足してきたときには「デスクトップ」と「書類」フォルダのすべてのファイルをiCloudへ保存し、最近開いたファイルのみをMacに残してストレージを最適化します。「写真」の場合は、フォトライブラリをiCloudへ保存し、最適化済みの写真とビデオのみをMacに残してストレージを最適化します。
ただし、ここで注意したいのは「デスクトップと書類」の項目です。Macのストレージ容量は節約できるものの、ファイルを開くさいにオリジナルのファイルがiCloudからダウンロードされるためネットの環境次第では動作が遅く感じる場合があります。そのため、頻繁に使うファイルは、「ホーム」フォルダや「ダウンロード」フォルダなどのiCloudと同期しない場所に保管して作業するのがおすすめです。
「iCloudに保存」をクリックすると、「デスクトップと書類」「写真」「メッセージ」といった項目が表示され、チェックを入れると自動的にオリジナルのファイルをiCloudへ保存します「iCloudに保存」で表示される項目は「システム環境設定」の「Apple ID」パネルの「iCloud」→「iCloud Drive」や、「写真」アプリや「メッセージ」アプリの環境設定からオン/オフを変更できます次に②「ストレージを最適化」ですが、こちらは「Apple TV」で購入した映画のデータを視聴後に自動削除する機能とメールの添付書類を一定期間経過後にiCloudに移動する機能で構成されています。ダウンロードされた映画は1本数GB以上になることもあるため、基本的には自動削除をオンにしておくのがおすすめです。
コンテンツの自動削除設定は「TV」アプリや「メール」アプリの環境設定で変更できるので、使いにくいと感じる場合はオフにしておきましょうそして意外に盲点なのが③「ゴミ箱を自動的に空にする」です。初期設定ではユーザーが手動で操作しないとMacのゴミ箱に入れたファイルは空になりません。この自動的に空にする設定を有効にしておけば、ゴミ箱に入れてから30日が経過すると削除されるので、ストレージ使用量の肥大化を防げます。もちろん、問題がなければFinderのメニューからすぐに空にすることも可能です。
ゴミ箱を自動的に空にする設定をあとから無効にするには、Finderの環境設定から「詳細」タブを選び、「30日後にゴミ箱から項目を削除」のチェックボックスをオフにしますここまでの最適化設定を有効にすると、項目のボタンに「実行済み」のチェックマークが付きます。さらに手動でファイルを整理していきたい場合は「ファイルを確認」をクリックします