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10年前のノートPCを大幅に改造して作ったゲーミングPCが、「もはやノートじゃない」と感嘆の声を呼んでいます。
作ったのはYouTuberのゆっくりでぃすこ(@yukkuri_disco/YouTubeチャンネル)さん。ジャンク品のThinkPad(T420)から大胆にも液晶部分をもぎ取り、ディスプレイやグラフィックボード(グラボ)を外付けするなどして、新作ゲーム「Valheim」が動くレベルに仕上げました。こうなるともうノートPCというか、キーボード&タッチパッド一体型PC。
ゆっくりでぃすこさんは製作過程を公開しており、送料込み2000円で購入したT420の開封時点から紹介しています。安すぎるだけあってそのジャンクっぷりはものすごく、天板が割れているうえに、大量の砂ぼこりが付着。ダメージは内部まで達しており、液晶画面は使い物になりませんでした。
安いしメモリは刺さっているし、最低限パーツ取りはできそう屋外でラフに扱われていたらしく、外側からして尋常でなくボロボロ。傷が深いし、中までいってそう案の定、液晶画面は壊滅的な状態でした幸いメイン基板が生きている可能性は見えたので、修理&改造を実施することに。ノートPCとして生き返らせるか、液晶を捨ててデスクトップ化するか視聴者に問うたところ後者が選ばれました。
メーカーのレノボがメンテナンスマニュアルを公開してくれていたこともあり、分解作業は無事に進行。基板を掃除しCPUのグリスを塗り直すなど入念に手を入れたかいあって、T420はWindows 10を起動できる状態までリカバリーできました。
T420はmSATAスロットを搭載。ここに同規格のSSDを積み、購入時点では廃棄されていた内蔵HDDの代わりに公式マニュアルを参考に、ディスプレイ部を排除自作派にはおなじみのセンターウンコ方式でグリスを塗り直し。中まで入り込んでいた砂ぼこりもエアダスターで掃除しています80年代マイコンチックなキーボード一体型PCにBIOSの起動に成功し、Windows 10をインストールしかしベンチマークをかけてみると、本来は動作周波数2.5GHzで動くはずのCPU(Core i5 2520M)が、0.8GHzしか出せないと判明ジャンクゆえのバッテリー非搭載と、ACアダプターの電力不足が原因と判明し、それらを追加購入。本体以上の出費に電力まわりを確保した結果、T420本来のパフォーマンスが実現復旧だけに飽き足らず、「ゲーミング」レベルの性能を目指してさらに改造。CPUを2コアのCore i5 2520Mから4コアのCore i7 2670QMへ、メインメモリを元の2GB+4GBから8GB×2へ交換。ストレージもmSATA規格のSSDにしています。
CPUをi5から同世代のi7へランクアップCPUが基板にじか付けではなくソケット式だったため、比較的容易に換装できているメモリも大幅に増量交換品をBIOSがしっかり認識CPU内蔵の描画能力ではゲーム用途にはパワー不足のため、グラボも外部接続。エクスプレスカードスロットをPCIe x1に変換できる機器を利用しました。ただ、これが困ったことに接続するグラボを選ぶ品で、相性の合うグラボの検討やら設定変更やら、3日間の試行錯誤を経てようやく正常動作にこぎ着けたといいます。
用意した変換器マイニング需要で市場に在庫が乏しかったため、4世代ほど前のハイエンドグラボを使用。これを動かすために、デスクトップPC用電源ユニットも用意しています全てがうまくかみ合えば、描画性能が大幅にアップ。ただしデスクまわりはカオスに動作確認も成功し、廃棄寸前のThinkPadは、ゲームもこなせるデスクトップに再生されました。総費用は2万9755円(手持ちパーツなどの流用分は含まず)。ロマンあふれる改造に、Twitterでは「かっこいい」「マネしたい」「テセウスのノーパソ」など、多くの賛辞が寄せられています。
ベンチマークのスコアが大幅に向上Valheimのテストプレイの様子。グラフィックオプションを最高設定にした場合でも、フレームレートが30fps出るそうです画像提供:ゆっくりでぃすこ(@yukkuri_disco/YouTubeチャンネル)さん改造ThinkPadのメイキング映像を見る1|2次のページへ